同じ日の屋根の温度を比べてみる
カテゴリー │現場での実例など
台風が過ぎ去って、また暑い日に戻りましたね。
今日は現在新築している2つの物件の屋根の表面温度を比較した結果をお伝えします。
1つ目はこちら
使用しているのはガルバリウム鋼板。
色は濃茶色。
測定時刻は午前10時頃です。
表面温度は61.8℃でした。
2つ目も物件がこちら
小さなサンプルで見るとアイボリーに見えるけど、施工後に見ると白にしか見えませんね。
測定時刻は10時半頃です。
表面温度は48.5℃でした。
その差13.3℃。
屋根の材質は同じで、違うのは屋根の色のみです。
どちらの物件も屋根断熱にセルロースファイバーを200㎜吹き込んでいます。
断熱の裏側の温度は0.4℃しか差がありませんでした。
断熱の上の通気層でよほど排熱出来ているのかもしれませんし、窓全開で通風しているので、実際に冷房を効かせた状態とは条件が違うためかもしれません。
ただ、温度差が大きくなるほど熱移動も多くなるので、13℃の温度差が断熱材で完全にカバー出来るなんてことはないはずです。
屋根の色を変えるだけならお金も掛かりません。
夏が増々暑くなっている今、やはり屋根の仕上げ材の色は淡色にすることをお勧めします。
先月の電気代
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電気料金。。。えげつないことになっていませんか?
あいかわらず寒~い我が家では、電気・灯油・ガスとすべての料金が高騰しています。
苦しい。。。苦しいぜ。。。
気になるのは最新の住宅の電気代ってどれだけなのよ?ってことですよね。
昨年当社で施工した“明鏡の家”のお施主様からこんなデータを頂戴したのでご報告してみたいと思います。
こちらは太陽光パネルに付属しているモニターです。
先月の発電量と消費量。
そして売電量と買電量の記載があります。
こちらは実際に電力会社からくる請求とは誤差はありますが、割と近い数値が記載されています。
さて、大寒波もあった先月。
お施主様によると、先月は床下エアコン23℃設定で常時可動。
家の中の大部分が常に20℃以上あるパラダイス。
1か月の電気代は約15000円。
太陽光の余剰電力の売電が5000円程あるので、実質一か月の電気代は10000円ぐらいです。
オール電化なので、ガス代は掛かりませんし、灯油を買う必要もありません。
いいなあ。。。羨ましいなあ。。。
我が家では灯油代だけでそれぐらい掛かっています。
さらにガス代と電気代が。。。
しかも寒い。。。
これからおうちを建てる人はなんて幸せなんだ!!!
ちなみに仮に太陽光を乗せていなかった場合は23000円ぐらいですね。
太陽光は控え目な4.3KWh。
倍乗せていれば電気代0に限りなく近くなりますね。
これが高気密/高断熱+床下エアコンの凄さですよ。
良い家が造れて良かった。
これからもさらに良い家を造れるように頑張ろう。
寒い我が家には。。。
とりあえず内窓を付ける!!!
大量の補助金がでる今年つけねば大損ですよ!!!
来年は太陽光にもドカッと補助金だしてくれないかな(笑)
こちらの記事に重大な誤りがありました。申し訳ございませんでした。
詳しくはこちらへ。
この寒さは。。。どげんかせんといかん。。。
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寒い!寒すぎる!!!
今朝の我が家の寝室の室温。
6.9℃です。
殺す気か!!!
妻と子と3人、毛布と布団に顔を埋めて眠っています。
先週までは12~13℃はあったのですが。。。
寒波恐るべし。。。
我が家は壁は土壁(無断熱)。
サッシはアルミのシングルガラスです。
30年前はこれが主流だったんです。
気密をとるという概念も無かった時代なので、風の強い日は室内でも風の流れを感じます。
夏の冷房は良く効くのですが、冬の暖房はエアコンでは苦しいです。
温度設定をどれだけ上げようが室温は上がってくれません。
こちらは昨夜のリビング。
灯油ファンヒーターによって室温は24℃まであがっています。
就寝の為、ファンヒーターを停めると室温がみるみる下がっていくのが分かります。
ちなみにエアコン暖房を26℃設定で付けっぱなしにしています。
その後室温は下がり続け。。。
朝6:00。
13℃で下げ止まりました。
エアコンをつけた状態でも室温が11℃も下がっています。
そしてエアコンで暖房しても13℃以上に暖めることは出来ないことが分かります。
これだと電気代がかさんでしまうという実例です。
炬燵を出そうか真剣に考えてしまいます。
炬燵が消費電力は低めです。(室温は上がりませんが)
内窓をつければエアコンでももっと室温が上がるようになるはずです。
今年の内窓の補助金は本当にお得なので、皆様も検討してみてが如何でしょうか。
ちなみに、当社で施工して先月お引渡しした“明鏡の家”。
お施主様にお願いして温湿度計を設置させて頂きました。
床下エアコン1台を23℃設定で常時可動させているそうです。
エアコンはリビングにあるので当然リビングの室温はほとんど下がりません。
0:00から6:00の間で-0.2℃です。
我が家との違いが凄まじいです。
これで我が家よりも電気代は安いのですから羨ましい限りです。
リビングだけでなく。。。
洗面脱衣室
玄関といった非居室も21℃以上あります。
1階の洋室が20℃を下回りました。
床下エアコンの背面にある部屋です。
基礎形状を見直す参考にさせて頂きます。
それでも、こちらの部屋で就寝しているお客様からは『暖かい』というお言葉を頂戴しました。
実際、窓面や壁面の表面温度が一般的な家よりも高いので室温以上に暖かく感じます。
嬉しい限りです。
2階 さきほどの洋室1の直上の部屋。
こちらが最も室温が低い16℃。
第三種換気+寒波だと最低これぐらいの室温になることがわかりました。
ただ、この部屋は就寝に利用していないので内部発熱がほぼない状態です。
寝室として利用していればもう1℃ぐらいは室温が上がったのではないかと思います。
しかもこの部屋で就寝しても動かすエアコンが増える訳ではないので暖房費は変わらないという裏山さ。
裏山です!!!
2階の寝室。
こちらはリビングの直上なのでさきほどの部屋よりは室温が高め。
それでも20℃を下回っている。。。
お施主様に訊いたところ昨日は夜勤で就寝していないとのこと。
就寝していれば20℃を下回ることはなかったと思います。
(一昨日は20℃以上あったので)
こうやって比べてみると断熱・気密性能の大切さが身に沁みます。
とりあえず我が家は内窓。
絶対につける!!!
恐らく来月には。。。
太陽光パネルが設置されました。
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施工中の『明鏡の家』の屋根に太陽光発電パネルが設置されました。
先月、実業家のひろゆき氏が『太陽光は儲からない』と言ったことがニュースになっていましたが。。。
え?この人、こんなにものを知らない人だったの?
とびっくり。
本気で思っているのか、誰かから聞きかじった知識なのか、台本のセリフなのかはわかりませんが。。。
元を取るのに20年とか、国が買い取り価格を変えるとか完全に的外れなコメントです。
現状において、大災害や電力会社の経営破綻などの異常事態に陥らない限り、太陽光発電は10年程で元が取れるし、その後は機械が壊れるまで儲かり続けます。
例えば、
今回の明鏡の家では容量4.26KWの太陽光パネルを設置しています。
シミュレーション上の年間発電量が5,417KWhです。(勾配が緩いので少し低めです。)
そのうち、約70%が余剰電力として売電され、残りの30%は自家消費されます。
5,417KWhの70%は3,792KWh 30%は1,625KWhです。
今年度の売電価格は17円。(こちらは10年間は固定です。国が変えることはありません。)
日中の電気料金は中電のスマートライフプランだと、平日が38.71円、休日が28.52円。
平均すると約35.36円となります。
年間の売電金額は3,792×17=64,464円
年間の自家消費分は1,625×35.36=57,460円
太陽光発電によって一年間で得する金額は64,464+57,460=121,924円となります。
今回の太陽光発電の費用がおよそ120万円なので10年で元がとれてしまう計算になります。
10年後、仮に売電が無くなったとしても、自家消費分は継続します。
20数年前に当社で設置した太陽光パネルが元気に発電していることを加味して最低30年は稼働すると仮定すると、
57,460円×20年間=1,149,200円となります。
これに、割と壊れやすいパワコン(最低10年は保証あり)という部材の交換費用20万円を差し引いても、30年間で95万円ほどの利益が出ます。
10年で売電は無くなる、電気の価格が上がらない、という最低の条件で計算してもこれだけ得する訳です。
少し高めの太陽光ローンの金利で計算しても損をすることはありませんので、個人的には絶対に乗せた方が得だと思います。
設置架台をガルバリウムのタテハゼに挟み込んで取り付けています。
屋根の仕上げ面に穴を空ける必要がないので雨漏りの心配はありません。
構造計算は太陽光パネルの加重も加味して許容応力度計算しています。
ここまでやっておけば、太陽光パネルを設置して困ることはありません。
以前、見学会に来場頂いたお客様に、太陽光を乗せるから屋根の日射遮蔽は気にしなくてもいいですか?(要は屋根の色を黒くしても良いか)と聞かれたことがあります。
その時は屋根と太陽光パネルの間に架台分の隙間が出来るので有利になると思いましたが。。。
ずっと気になっていたので、本日表面温度を測ってきました。
太陽光の乗っていない部分(白いガルバリウム)の部分が約40~45℃
太陽光パネルの部分が45~50℃
約10℃程、太陽光パネルの部分の方が熱くなっていました。
気になる架台分の隙間の部分の温度は。。。
およそ47~48℃で推移していました。
ということは。。。
太陽光パネルの下の部分はパネルが乘っていない部分よりも熱くなっています。
白い色を選択した場合は、太陽光パネルを乗せた方が熱くなることがわかりました。
恐らくですが、黒いスレートや瓦、しかも遮熱塗料を塗っていないものを使用する場合は太陽光パネルを乗せた方が有利になると思います。
個人的な感覚ですが、太陽光パネルは遮熱塗料を塗った黒い仕上げと同じぐらいだと思います。
今回は現場の状況というよりも、太陽光パネルのメリットについてのお話になってしまいました。。。
中も外も張ってます
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施工中の“明鏡の家”
内部では大工さんが内壁の下地となるプラスターボードを張っています。
プラスターボードは石膏(せっこう)を主原料に、消石灰や粘着剤などを混合して作られた石膏プラスターと呼ばれる材料を板状に成形した建材です。
殆どの住宅会社の建物で内壁や天井の下地として使用されている材料です。
床から天井までの間に継ぎ目を作ってしまうと、構造材の木材の収縮や反りの影響で仕上がりに影響する恐れがあるので床から天井まで1枚の板で張り上げます。
長いプラスターボードは重みも結構ありますが、暑い中でも大工さんが頑張ってくれています。
基本的に接着剤などは使用せずにビスで固定します。
使用するビスを専用の釘に変えたり、ピッチを細かくすることで壁の耐力を得ることも出来ます。
外では外壁屋さんが外壁のサイディングを張ってくれています。
建物の下(土台)から上へと順番に張っていきます。
一番下には専用の金具が取り付けられています。
金具には穴が空いていてここから通気層に空気が入るようになっています。
固定も金具で行います。
サイディングを重ね合わせたら。
金具を差し込んで。
金具をビスで固定します。
十数年前はサイディングも釘で固定するのが主流でしたが、近年は金具留め工法が主流です。
現在も釘打ちの商品もありますが、厚みが薄く、塗料の品質も低い商品がほとんどです。
10年周期で外壁の塗り替えをするつもりがないのであれば、使用しない方が無難です。
金具は厚さが5㎜のものと15㎜のものがあります。
当社では金具の厚み分のスペースを通気層と出来る通気金具工法を標準採用しています。(厚さ15㎜)
外張り断熱の抑えとして木胴縁も施工していますが、これだけを通気層とすると空気の横移動が不十分をなり、横幅の長いサッシ(窓)の下ではうまく空気が流れなくなってしまいます。
そこで、さらに金具分15㎜の通気層をプラスすることで、円滑に空気が流れるようにしてあげる訳です。
通気層を通った空気は最終的には以前取り付けた通気部材から出てくる計画です。
きちんと施工した通気層では排熱、排湿といった働きが発揮されるので、建物の快適性・耐久性に好影響を及ぼします。
外壁工事を施工してくれている協力会社の三共建材さん。
本日は、就職希望の高校生の職場見学に“明鏡の家”の現場を利用してくれました。
寄りによって一年で一番過酷であろうこの時期に。。。
とも思いましたが、嘘偽りなく見てもらうには良かったのかもしれません。
大変だけどやりがいのある仕事だと思います。
就職した際には、現場で会えるのを楽しみにしています。
前回の記事でちらっとお話した凄い外壁。
まだそこまで工事が進んでいません。
早く張れないかな~。
また報告します!
充填+外張り断熱!
カテゴリー │家造りの役に立つお話│明鏡の家 施工の様子│現場での実例など
施工中の『明鏡の家』。
前回は基礎内断熱の施工の様子をご紹介しました。
今回は、壁の外張り断熱の施工の様子をご紹介していきます。
当社で使用している構造用パネル“コーチパネル”には、充填断熱材としてネオマフォームが既にはめ込まれています。
明鏡の家(当社の標準仕様)では外側にさらに断熱材を追加して張っていきます。
お客様と話していると、
『浜松は暖かいのにそこまでする必要があるんですか?』
と訊かれることがあります。
私はその質問に対して、
『少ない台数(1~2台)で家全体を暖冷房をしたいのであれば、ここまでやらないと不十分です。』
とお答えしています。
これは、
『ヒートショックになるリスクを限りなく0にして、暑さ・寒さを我慢しない生活を光熱費を上げずに実現する為には』
と言い換えることができます。
つまり、
・老後にヒートショックを引き起こすリスクを許容する。
・暑い/寒い(特に非居室が)を我慢する。
・光熱費が高くなっても良い。
などを許容するのであれば、外張りだけ、若しくは充填だけの断熱でも良いということです。
当社ではそれらを許容するのは、健康面からみても、ランニングコストの面からみても、“お客様に多大な不利益をもたらしてしまう“と考えているので充填+外張り断熱を標準としています。
前置きが長くなりました。。。
それでは実際の施工の様子をご覧ください。
いきなり断熱材を張るのではなく、サッシの下地やずり下がり防止の為の受けの木材を取付ます。
木材の周りはシーリングで隙間を埋めて気密処理とします。
隙間のないように留め付けていきます。
継ぎ目の部分に防水テープを貼って防水・気密の処理とします。
窓廻りは特に入念に。幅の広い防水テープで防水処理を。
ちなみにテープを貼る順番にも決まりがあります。
水が上から伝って来た時にテープの中に入らないように貼るのが基本です。
棟換気の部分には隙間を空けて。
防水・気密の為に塞ぎたい場所と、通気の為に穴を空けたい所でしっかりメリハリをつけます。
完了です!
今回使用した断熱材。“キューワンボードは表面に遮熱フィルムが貼ってあります。
この外側に外壁が張られるのでこれ自体の遮熱効果は期待できないとは思いますが、通気層内の放射率を下げることで冬の夜間の熱流出を抑える効果があるのではないかと期待しています。
現場ではまだ外装材は張られていませんので、しっかりと遮熱効果が出ています。
外張り断熱を張る前と後では2階の温度が体感でかなり下がっています。
これで屋根断熱を施工したらどれだけ涼しくなるのか、楽しみです。
来週末開催の現場見学会では、実際に外張り断熱を施工した状態がご覧頂けます。
外側に透湿防水シートは貼らないので、本当にそのままの状態でご覧頂けますよ!
是非、当社の誇る、“施工”をご覧ください。
社員一同、心よりお待ち申し上げます。
白蟻対策と基礎内断熱
カテゴリー │家造りの役に立つお話│明鏡の家 施工の様子│現場での実例など
本日は、『明鏡の家』の防蟻工事と基礎内断熱工事の様子をご紹介します。
現在の当社の標準仕様では『床下エアコン暖房』を採用しています。
色々注意事項はありますが、特に重要な必須と言えるものが、
①人体に無害な白蟻対策
②床ではなく基礎で断熱をすること
の二つです。
配管のスリーブの隙間、基礎の水抜き穴、増し打ちしたコンクリートと基礎の取合をホウ酸入りの専用のシーリングで埋めます。
防蟻処理はいつもの如く、人体に無害なホウ酸を使用する“ボロンdeガード”工法です。
玄関やお風呂の部分は基礎から胴差(梁)までの部分にホウ酸を散布します。
その他の部分(1階)は基礎から1mの部分にホウ酸を散布します。
外回りは雨で洗い流されないように、散布後に再養生します。
床の合板の下地となる木材や
床の合板にもしっかりホウ酸を散布します。
合板は両面にしっかりホウ酸を散布しています。
防蟻だけでなく、木材の劣化対策の役割もになっています。
あの有名なバイオリンの名器“ストラディバリウス”にも防腐剤としてホウ酸が使用されています。
ホウ酸は水に洗い流されなければ、効果は永年持続します。
通常の薬品による防蟻処理では5年で保証が切れてしまいますが、“ボロンdeガード”の場合は点検さえすれば15年の保証が付きます。
こちらは大工さんによる基礎内断熱の施工の様子です。
以前、玄関部分に施工したのと同じ“キューワンボード”という断熱材の厚さ70㎜のものを使用しています。
基礎の天端部分はウレタンを吹き付けて断熱を付加します。
断熱性能の計算には反映されませんが、室温を快適に保持する為には必要な工程です。
これで床下エアコン暖房を採用する準備はほぼ完了です。
市販のエアコン1台で家全体を暖房する“床下エアコン暖房”
お引渡しの頃はまだそんなに寒くないかもしれませんので、お引渡し後の室温も計らせて頂こうと考えています。
お施主様!よろしくお願いします!
屋根の色は白を標準にしたいぐらいです。
カテゴリー │家造りの役に立つお話│明鏡の家 施工の様子│現場での実例など
今日は『明鏡の家』の屋根工事の様子を紹介していきます。
使用する屋根材は以前ご紹介した“陽景の家”と同じく白いガルバリウム鋼板です。
炎天下の中、日陰の一切無い屋根の家での作業。。。
澤田板金さん。
本当にお疲れ様でした!
今回もガルバリウム鋼板の“立てハゼ葺き”と呼ばれている工法で施工しています。
こちらは水上側の立てハゼの重なり部分です。
このままだと雨が入ってしまうので、シーリング(防水材)を注入した後にキャップをします。
こんな感じです。
ちなみに水下側は万が一雨が進入した際に雨水が抜けるようにシーリングは注入しません。(キャップはします。)
屋根の温度を計ってみました。
一部下地のルーフィング(防水シート)が見えている状態です。
白いガルバリウム鋼板はおよそ40℃。
ルーフィングの部分が明らかに熱く(赤く)なっているのがわかります。
ルーフィングの部分はおよそ60℃。
色と材質の差で約20℃の温度差が生じています。
去年の夏に施工した“陽景の家”は濃い茶色のガルバリウム鋼板を採用したので真夏には屋根の表面温度が70℃まで上昇していました。
白いガルバリウムの『明鏡の家』ではどうなるのか楽しみです。
綺麗に仕上がりました。
といっても低勾配なので下からは見えません。
こういうケースでは標準で白を採用したいと思っています。
見えない部分の色にこだわって暑い思いをすることはないと思いますので。。。
お客様にも理解して頂けるはずです。
夕方(18時頃)の温度です。
外気とほとんど同じぐらいまで下がっています。
28℃であれば室温(エアコンの設定温度)が28℃であれば屋根からの熱の移動はないということです。
厚みの薄いガルバリウム鋼板は、瓦屋根に比べて熱容量が小さいので、温度が下がりやすいのではないかと推測します。
洋瓦の黒を使用していたお家の屋根温度を計ってみました。
38℃。
日中の温度も計っておけば良かったです。。。
いずれにしても黒い洋瓦の家では夕方になっても屋根から室内に熱移動があることがわかります。
和瓦の温度は私が思っていたよりは低かったです。
黒というよりもグレーに近いからだと思います。
次週はホウ酸による防蟻処理や基礎内断熱などなど現場にも動きがある予定です。
そちらの様子はまた次週報告します!
現場見学会が7月23日(土)・7月24日(日)のAM10:00~PM16:00で開催されます。
詳しくは続報をお待ちください。
土台据えとさや管ヘッダー工法
カテゴリー │家造りの役に立つお話│明鏡の家 施工の様子│現場での実例など
施工中の『明鏡の家』。
いよいよ明日と明後日で建て方・上棟となります。
祈りが天に通じたのか、2日共に雨の心配はなさそうです。
(毎日ころころ変わる天気予報にはやきもきさせられました。)
基礎完了後の現場では大工さんが土台を設置していきます。
まずは墨出しで土台の位置に印をします。
基礎から飛び出したアンカーボルトの位置に穴を空けます。
アンカーボルトと専用の金具で土台を固定します。
床断熱の場合、この後断熱材をはめ込んで合板を敷いて養生という流れになるのですが、床下エアコンを採用する『明鏡の家』ではホウ酸による防蟻処理後に基礎内断熱を施工するので、建て方前の工事はここまでとなります。
水道屋さん(専門的には給排水設備業者さんと呼びます)による先行配管工事も完了しています。
当社の仕様の場合、床の合板を伏せてしまう訳ではないので後から出来なくもないのですが、土台・大引き施工より前にやった方が楽なのは間違いありませんので、基本的にはこのタイミングで先行配管を行います。
なかなか見慣れないこの部材、これは“排水ヘッダー”と呼ばれるものです。
排水管を1ヵ所(ヘッダー)にまとめて排水します。
メリットとしては基礎外周部分の貫通箇所を減らせるのが一番のメリットではないでしょうか。
貫通部分は構造上や白蟻被害の弱点になり得ますので減らせるのであれば減らした方が良いと思います。
メンテナンスや交換も簡単になります。床下エアコンの為に立ち上がりを少なくしているのも床下でのメンテナンスには有利に働いてくれます。
後は外部の汚水桝の数が減らせるといったメリットもあります。
こちらは“給水・給湯ヘッダー”と呼ばれている部材です。
各配管はヘッダーから水廻りの設備まで一本の配管で伸びていくので漏水の弱点になりがちな継ぎ目を無くすことが大きなメリットだと思います。
こうした工法を“さや管ヘッダー工法”といいます。
こちらが従来の先分岐方式の配管です。
ジョイントに継ぎ目となる部材があるのが分かるかと思います。
ヘッダーから先の配管の口径を13A以下にすることで給湯の光熱費を下げる効果も期待出来ます。
ヘッダー配管は部材自体は多少高額ですが、もろもろのメリットを考えると採用する価値のある工法だと思います。
排水管にもスリーブを入れています。
一回り大きい配管の中にもう一本配管されています。
隙間があるので地震の揺れで直接受ける力を弱める働きがあります。
後から交換が出来るのも大きなメリットです。
給排水の配管にも色々な工夫がされている『明鏡の家』。
来月には構造と断熱の見学会を開催します。
詳しくは後日、お知らせ致します。
デコスドライ!施工中!
カテゴリー │新築工事日記│家造りの役に立つお話│現場での実例など
『楽暖(らくだん)の家』では屋根断熱の施工中です。
使用している断熱材はJIS認定品である綿状のセルロースファイバー『デコスファイバー』です。
施工はいつもお世話になっている“グラウンドワークス”さんです。
デコスファイバーは認定資格を持った断熱施工技術者の責任施工で行われます。
設計通りの性能・品質が確実に発揮できるように講習を終えていない人員だけでは施工できません。
良い材料を良い職人さんが施工する。これが『デコスドライ工法』です。
まずは垂木(たるき)の下に透湿防水シートを施工します。
透湿性のあるシートを張ることで、セルロースファイバーを通して通気層に湿気を逃がす効果が得られます。
シートは母屋部分に折り返してシーリングでも接着をします。
セルロースファンバーをパンパンに詰めてもシートが膨らんで通気層を阻害しないようにする為です。
吊木(下地となる木材をを吊る為の木材)の周りにはウレタンスプレーを吹きます。
隙間からセルロースファイバーが通気層に入らないようにする為です。
大工さんが取り付けた下地の木材にデコスシートを張ります。
このシートも当然のことながら透湿性があります。
繊維系断熱材や発泡ウレタン系断熱材では防湿して湿気を透さないことが基本です。
しかし、デコスドライ工法では湿気を透します。
通気層に排湿することで小屋裏の湿度を下げる狙いがあるからです。
残念ながらセルロースファイバーを施工する業者さんのすべてがこんなにきちんとした仕事をする訳ではありません。
グラウンドワークスさんのような信頼できる業者さんと協力するということが何よりも大切です。
シートが全て張られたら。。。
デコスドライ工法専用の車の登場です。
機械を使ってどんどんセルロースファイバーを送り込んでいきます。
先ほどのシートとシートの間にセルロースファイバーを充填します。
ホースからどんどん送り込まれていきます。
こんな感じです。
ホースを差し込む穴は最終的には専用のテープで塞がれます。
特に夏に真価を発揮するセルロースファイバーによる屋根断熱ですが、もちろん冬にも効果抜群です。
今週末は実際に現場を観て体感して頂けます!
本当の省エネ住宅に触れられる貴重な機会となっております。
来場者特典も御座います。
奮ってご参加の程、よろしくお願いします!
外張り断熱を追加!
カテゴリー │新築工事日記│家造りの役に立つお話│現場での実例など
施工中の『楽暖(らくだん)の家』では当社史上初の試みを実施しました。
それは“外張りの付加断熱”です。
“充填断熱のみ”や“外張り断熱のみ”は施工したことがありましたが、今回はそれらを上回る断熱性能を確保する為、“充填+外張り断熱”を採用しました。
充填断熱の場合、壁の断熱材は柱と柱の間にはめ込むので何かしらの細工をしない限りは柱の太さ以上に充填することが出来ません。
外張り断熱の場合、あまりに厚くすると取付に細工が必要となるので一般的には5㎝程度の厚さにすることが多いです。
それでは当社の目標である断熱性能を確保するのは難しいのが現状です。
※当社の目標は夏・冬にエアコンをつけっぱなしにしても国の基準レベルの断熱性能の建物でエアコンをつけたりけしたりする場合と同程度の冷暖房費に抑えることです。
充填+外張りとすることで厚みを確保しつつ金物や木部なども覆って断熱が出来るので壁の断熱性能が飛躍的に上昇します。
寒い中、大工さんが一生懸命張ってくれています。
梁やサッシの下地となる木部の周りはコーキング処理をしています。
気密・防湿性能を高める為です。
現場監督 石田の意識の高さが表れています。
今回の気密測定は過去最高の記録がでる予感がします。
楽しみです。
コーキングの上から張るので厚み分凸凹しないように座金をつけてしっかり押さえます。
継ぎ目にもしっかり気密と防水用にテープを貼ります。
これで外壁の断熱工事は完成です。
この後はサッシの取付・屋根断熱の工事に入っていきます。
その様子はまた次週にご紹介します。
現場見学会もいよいよ次週開催です。
断熱・構造・間取りなどなど新築・リフォームを検討中の方必見の内容となっております。
奮ってご参加くださいませ!
ボロンdeガードと基礎内断熱
カテゴリー │新築工事日記│家造りの役に立つお話│現場での実例など
絶賛施工中の『楽暖(らくだん)の家』が年内最後の工程に入っています。
ホウ酸による防蟻処理“ボロンdeガード”の施工です。
施工はいつもの如く“グラウンドワークスさん”です。
土台・大引きのすべての部分と建物の外周部分の高さ1mまでの部分にお湯で溶かしたホウ酸を吹き付けます。
お風呂などの水廻りがある部分は配管廻りが蟻道となるリスクが高いので梁の部分まで吹き付けます。
水に洗い流されない限りは基本的に再施工は不要です。
コンクリートを増し打ちした部分や基礎の水抜き穴も専用のホウ酸入りのシーリングで埋めます。
人体に無害で長時間効果の続くホウ酸による防蟻工事の完了です。
大工さんによって基礎内断熱の施工も完了しました。
使用したのはネオマフォームの66mm。
日本では最高クラスの断熱性能を有した断熱材です。
低版部分も折り返して断熱します。
床下から回り込んで熱が逃げるのを防ぐ働きがあります。
スカート断熱と呼ばれているものです。
熱橋対策として直行する基礎にも断熱材を貼ります。
上端にウレタンスプレーで吹いた断熱材も熱橋対策です。
これらはUA値(断熱性能)の計算には考慮されないので、やってもやらなくても計算上の性能は同じですが実際の住環境や光熱費には確実に影響するのできちんと施工しなければなりません。
床の合板も張り終わりました。
床下エアコンを採用しないのであれば建方の前に床の合板も張れてスムーズに作業が出来ますが、低光熱費で全館暖房ができる床下エアコンの魅力の前にはこの手間を惜しむ訳にはいきません。
ヒートポンプ式の床暖房で今のものより安価でメンテナンスも簡単に出来るものが登場したら床断熱にすることも検討するかもしれません。
それでもエアコンよりも高効率になるとは考えにくいですし、無垢フロアに対応出来るのかという懸念もあるので当分は床下エアコンを採用していくと思います。
『楽暖の家』の年内の工事はここまでとなります。
来年には現場見学会を開催致します。
温暖地でも断熱性能が全国トップクラスに良いとどんなメリットがあるのか?
熊本地震程度の地震に被災しても住み続けられる耐震性能はどんなものか?
実際の現場を観て・訊いて・体感してみてください!
白い屋根が素敵です。
カテゴリー │新築工事日記│家造りの役に立つお話│現場での実例など
施工中の『楽暖(らくだん)の家』
本日は屋根のガルバリウム鋼板葺き施工の様子をご紹介します。
こちらがガルバリウム鋼板の屋根です。
長さは事前に計って手配しているので現場で長さを合わせて切ったりはしません。
端部の曲げ加工を行っています。この部分のみ少し切り欠いて加工します。
ガルバリウム鋼板が重なり合う両側の部分を“ハゼ”といいます。
今回使用しているガルバリウム鋼板を見てみると両側の“ハゼ”の部分が立っていることが分かります。
こうしたハゼを”立て(縦)ハゼ“といいます。
この屋根は立てハゼのガルバリウム鋼板を使用することから、ガルバリウム鋼板の立てハゼ葺きといいます。
低勾配(緩い勾配)でも使用が可能です。
今回の屋根は2寸勾配ですが、ほとんど平に近い0.3寸勾配でも施工可能な商品もあります。
他のメリットとしては何といっても軽いことです。
屋根の重さは耐震性能の確保の為に梁の大きさや耐力壁の量に影響を与えます。
軽い屋根はその点で有利に働きます。
耐久性も安価なスレート屋根などと比較すると高いので35年スパンの塗り替え回数でいけば1~2回分の差が出ると思います。
断熱性能が低いのが欠点だという人もいますが、以前にもお話したようにきちんと断熱されていて通気層が機能している建物であればその外側にある外装材の断熱性能が建物内の温度に影響を与えることはありません。
むしろ日射遮蔽性能(遮熱)の方が大きく影響を与えるので、遮熱塗料を塗られたものや日射遮蔽に有利な淡色のものを使用した方が室温には良い影響を与えます。
淡色を使用すると冬の暖房負荷は増えますが、それは断熱性能を向上させることで影響を少なくすることが出来ます。
今回はお施主様に“白”を選択して頂けました。
私を信用してくれたのだと信じています(笑)
反射光も気にならない低勾配なのでつやありの白を使用しています。
足場が取れて仕上がりが確認出来る時が楽しみです。
中の様子も少しだけ。。。
大工さんによって間仕切りの間柱や耐力壁の筋交い、柱の引き抜きに抵抗する為の金物の取付が進行中です。
次回はホウ酸による防蟻処理“ボロンdeガード”による施工の状況をお伝えします。
基礎工事 型枠工事とコンクリート工事②
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基礎工事進行中の楽暖(らくだん)の家。
本日は基礎の立ち上がりのコンクリート打設の様子をご紹介します。
まずは立ち上がりの部分の型枠を組みます。
この時土台と基礎を固定する為の“アンカーボルト”を型枠に取り付けておきます。
事前に現場監督がチェックできるので入れ忘れを防止出来ますし、何よりも固定の精度が良くなります。
コンクリート打設時に手で差し入れる所謂“田植え”でアンカーボルトを設置する業者もいますが、当社では型枠に事前に固定する方法を標準としています。
ポンプ車を使ってコンクリートを流し込んでいきます。
耐圧版の打設時と同じようにバイブレーターでコンクリートを流動化します。
天端も鏝(こて)で均(なら)していきます。
配筋にオレンジ色で先端が船のスクリューのような形をした部材が付いていました。
これは基礎の高さの基準となる部材です。
事前に高さを測量しながら設置して置き、スクリューの部分が埋め込まれるようにコンクリートを流します。
コンクリート打設後、部材の先端が少し突き出した状態になります。
そこに基礎の天端を平にするためのレベラーをちょうど部材の先端の高さになるように流していきます。
これも天端の高さの精度を上げる為の工程です。
手間暇を掛けても良いものを作ろうとする心意気が伝わります。
少し話は変わりますが、手間暇を掛けるなら耐圧版と立ち上がりを1回で仕上げる一体打ち(一発打ち)にしたらどうか?という意見もあるかと思います。
個人的には外周部の型枠を継がないのであればわざわざ一体打ちにする必要はないと思っています。
まずネットなんかでみると一体打ちは安くできる、と書いてあるものを見かけます。
当社でも過去に一体打ちは何回か採用しましたが、決して安くはなりませんでした。
型枠を特殊な方法(浮き型)で組む為に通常より多く土を掘ったり捨てコンを打ったりと通常ではかからない手間が掛かるからです。
また、精度の高い“良い仕事”をしようと思うと非常に繊細な仕事が求められます。
一体打ちの方が丈夫だなんていうのもネットでは見かけますがそんなことはありません。
だったら継ぎ足し継ぎ足し造るRC造はどうなるんだって話ですから。
ただし、打ち継ぎ部分に汚れや不純物があれば取り除いてからコンクリートを流すのは重要な工程です。
基礎外断熱を採用していて白蟻が心配だとか耐圧版の高さよりも周囲の地面の高さが高くなって雨水の進入が心配だとかの特殊なケース以外ではそれほどのメリットはないのではないかと思います。
さて、現場ではこの後コンクリートが固まって強度がでるまで型枠を外さないで養生する期間を設けます。
専門的には型枠の存置期間(ぞんちきかん)と言います。
存置期間は建築基準法では特に規定はありませんが、国土交通省発行の公共建築工事標準仕様書によると、
普通ポルトランドセメントの場合、平均気温が5℃以上で5日、15℃以上で3日必要となっています。
これはRC造(鉄筋コンクリート造)の建物の施工時にも用いられる数値ですのでかなり安全側にみている日数です。
木造住宅の基礎であればこれより1日程度早く型枠を外しても大きな問題はないと思います。
今回は工程にゆとりがあるのでしっかりと5日間養生します。
次は次週に型枠を外して基礎が完成した状態を紹介します。ではまた
基礎工事 コンクリート工事①
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楽暖(らくだん)の家の基礎工事は順調に進行中です。
本日は、基礎の低版部分のコンクリート工事の様子をご紹介します。
ベタ基礎の低版部分(平面)のことを耐圧版(たいあつばん)といいます。
現場では“ベタ”と言ったり、“スラブ”や“土間”と呼んだりもします。
厳密にはスラブ、土間、耐圧版はそれぞれ別の部分なのですが、木造住宅のベタ基礎の話をしている前提であればどの呼び方でも通じます。ベタ基礎のスラブ、ベタ基礎の土間、と言えば耐圧版のことを言っているんだな、と分かるからです。
鉄骨造の基礎や鉄筋コンクリート造の場合は、耐圧版、スラブ、土間はそれぞれ違うものとしないと現場で混乱します。
支える荷重や抵抗する力がそれぞれ違うからです。
誤解や間違いの元ですので、普段から耐圧版と呼ぶようにしたい所です。
ポンプ車の作業員1人、バイブレーター作業員1人、トンボ(レーキ)作業員2人で作業をしています。
以前にも記事で書きましたが、バイブレーターやトンボは基礎の耐久力を向上させる為に必要な作業です。
ここの作業で手を抜いた基礎は仕上がりが悪くなります。正直かなり差がでるので、私達プロから見れば一目瞭然です。
当社の基礎はどの物件も綺麗に仕上げてくれています。職人さん達や現場監督の意識の高さの成せる技です。
見た目の悪い基礎は外観を損ねているだけでなく、基礎の耐久性にも不安があります。
基礎の配筋をどうするのかは設計の話ですが、その基礎を問題なく仕上げられるのかは実際に基礎を造る職人さんであったり、それを管理する現場監督の仕事次第です。
信頼できる職人さんに仕事を依頼し、それでも間違いがないか現場監督がチェックすることで、一流の仕上がりになる訳です。
綺麗にコンクリートが打ち終わりました!
藤田興健さん!ありがとうございます!
引き続き、よろしくお願いします!
陽景の家 サーモカメラ凄い!
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先日当社の社長の義弟、㈱フソウ・メンテナンスの上床社長が私の所に訪れました。
上『サーモカメラ買っちゃったよ。』
石『え?いいじゃないですか。』
上『これいいよ~。6万円程したかな。』
石『ろ、6万円!凄いじゃないですか!』
上『どこか計りたい現場があったら貸してあげるよん。』
石『え?じゃあさっそくいいですか?』
ということで、当社で施工中の『陽景の家』へGO!
今まで赤外線放射温度計(最近は店頭でおでこ出して下さ~いって計るやつです)で温度を測定していました。
しかし、当社の赤外線放射温度計は小数点以下が計れないという欠点があります。
最新のサーモカメラ(店頭で自動で温度を計ってくれるタイプのやつです。)であればより正確な温度が計れるはず!
上床社長に同行して頂き、早速測定を開始します。
はい、私です。
光輝いています!
これは私の内面が光となって現れている訳ではありません。
温度の高い場所ほど明るくなって写ります。(設定で変えられるようです)
35.1℃。。。体温低っ
とまあこんな感じで建物の中の温度を測定していきます。
上床社長です。形状はまんまカメラですね。使い易そうです。
左上 1階外壁面 38.2℃
左下 1階室温 27.9℃
右上 1階内壁(外周部) 27.5℃
右下 1階内壁(内周部) 28.4℃
外壁面が38.2℃あっても室内側の壁は室温とほぼ変わりません。壁の外周部分よりも内周(間仕切り)部分の表面温度の方が高いのは窓からの日射取得によるものだと考えられます。
左上 南面掃き出し窓からの日射取得の状況
左下 同上 床の表面温度 36.1℃
右上 南面窓 日射取得型のガラスの表面温度 32.2℃
右下 西面窓 日射遮蔽型のガラス表面温度 31.6℃
こうしてみると窓(サッシ)の部分が如何に熱的な弱点になっているのかが良く分かります。
日射取得型の窓の方が温度が高いのは日射反射率の差によるものなのか、時間帯の差なのか今回だけの計測では定かではありませんが、取り合えず日射取得型の方が表面温度が高いという結果がでました。
もう少し南面の庇の出を大きくすれば南面からの日射取得は無くすことが出来ますが、9月にまったく日が入らないほど庇の出を出してしまうと3月頃の日射取得が減ることになるので、光熱費で考えれば9月はこれぐらいの日射が入るぐらいの方がバランスが良いと言えます。
こちらは外部の写真です。
写真の赤丸で囲った部分、破風・鼻隠しと外壁の境の部分が細く線状に色が明るくなっています。
これは外部通気層の出口部分です。
しっかりと排熱できていて機能していることが分かります。
出口の無い通気層ではこのような排熱が行われませんので通気層内の温度は上昇し続けることになります。
最後にこちら。
外壁の色が濃い部分が明るくなっているのが分かります。
本当はそれぞれの温度を計ってどれぐらい違うのか比較できたらよかったのですが、迂闊にもそれ用に写真を撮るのを忘れてしまいました。
温度が違うのは一目瞭然ですので、これをみて頂ければ外壁の色による温度の差がでることがわかると思います。
破風・鼻隠しのガルバリウム鋼板の部分よりも濃いサイディングの部分の方が温度が高い(明るい)ことからも私がパッシブデザインの話で言い続けてきたことが実証されていると思います。
上床社長、ご協力ありがとうございました!
サーモカメラ。。。いいなあ。。。
買ってくれないかなあ。。。 チラ。。チラ。。。
さて、長らく工事の状況をお伝えして参りました『陽景の家』ですが、実は先週をもってお引渡しを終えております。
完成見学会等も予定をしていましたが、緊急事態宣言中ということで自粛させて頂きました。
ブログ紹介を了承して頂きましたお客様、本当にありがとうございました。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
『陽景の家』カテゴリにつきましては、次回完成の内観をご紹介させて頂きまして、暫くしましたら他カテゴリと統合させて頂きます。
それでは、次回の完成物件紹介をお楽しみに!
陽景の家 屋根の通気層です。
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本日は『陽景(ようけい)の家』の屋根の通気層の施工をご紹介します。
外壁の通気層は“排湿” “排水” “排熱”の3つの効果がありました。
屋根の通気層は“排湿”と“排熱”の2つを目的に施工されます。
屋根の通気層にも外壁の通気層と同じく必ず入口と出口が必要です。
陽景の家 2階屋根通気層の入口(内側)
陽景の家 2階屋根通気層の入口(外側軒部分)
陽景の家 2階屋根通気層の入口(外側軒ゼロ部分)
通気層は垂木(たるき)という屋根の下地となる木の部分となります。
雨の入り込まない専用の部材を取り付けて通気層の入口とします。
陽景の家 2階屋根通気層の出口(内側)
垂木の間に空気を通して一番高い棟(むね)の部分から抜けるように屋根の野地板に隙間を空けます。
垂木の下に透湿シートを張ります。
通気層を確保しつつ、断熱材を透して湿気を通気層に排湿します。
陽景の家 2階屋根通気層の出口(外側)
陽景の家 棟換気部材の取付の様子
棟部分に棟換気を取付ます。
屋根断熱の場合、棟全体に取付る必要があります。
外壁の時もお伝えしましたが、空気の横移動はあまり期待しない方が無難です。
屋根断熱で全体に通気層を設けない場合、湿度が100%を超えたという実験結果があります。
日経ホームビルダーより
1階の屋根にも通気層が必要です。屋根が2階の外壁にぶつかる場合は、雨押え(あまおさえ)の部分に専用の通気部材を取付ます。
屋根の通気部材をきちんと施工すると排熱/排湿効果が期待できるので、夏は涼しくなり、冬は結露の防止に有利になります。
長期優良住宅の劣化対策などには小屋裏換気の規定がありますが、建築基準法には規定がないので棟換気無しでも建てられてしまうケースがあります。
人にも建物にも優しい家を建てたいのであれば、屋根の通気層は必須です。
陽景の家 外壁通気層は超重要です。
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『陽景(ようけい)の家』では外壁の工事が終盤に差し掛かっています。
今回は外壁の通気層の施工状況をご紹介します。
高気密・高断熱住宅の場合、断熱材の外側に通気層という空気が通る空間を設けます。
壁の通気層の目的としては以下の3つです。
①排湿する
壁体内の湿気を通気層に排湿することで、内部結露を抑制する。
※室内側に防湿層が必要。面材耐力壁は湿気を透し易いものを使用する。
②排水する
通気層内に入った水分が壁体内に留まらずに排水できる。
※貫通部分の防水処理が必要。
③排熱する
日射による通気層の温度上昇を抑える。
※必ず入口と出口が必要。
当社施工の陽景の家では外壁の断熱材に湿気を透し難いネオマフォームを使用しているので①よりも②と③が重要になります。
一般的な外壁の通気層は胴縁(どうぶち)を取り付けてその厚み分の空間を利用します。
縦胴縁の施工例
写真のように木を取り付けて木と木の間に空気を通す訳ですが、この時必ず入口と出口の両方が必要です。
陽景の家 外壁通気の入口
通気層の入口は外壁のサイディングと土台水切りとの隙間です。
最低10mm以上は隙間を確保する必要があります。
陽景の家 外壁通気の出口(軒側)
外壁の通気層から軒裏を通って軒先に取り付けた通気部材から排気します。
陽景の家 軒裏の仕上げ材を張った後の様子
軒先の通気部材は外壁の通気の出口と屋根の通気の入口の兼用となっています。
陽景の家 外壁通気の出口(軒ゼロ/ケラバ側)
上の写真は軒が出ていない部分とケラバ側の通気の出口となる部材です。
軒ゼロ部分の部材は屋根の通気の入口と兼用です。
陽景の家の外壁の通気層にはもう一つ工夫があります。
それがこちら
通気金具止め工法を利用してサイディングを固定しています。
この金具を使用することにより、縦胴縁を使用せずにサイディングを張ることができます。
陽景の家 サイディング張りの様子
胴縁を使用しないことの何が良いのか?
単に材料や手間を惜しんでいる訳ではありません。
通気層には入口と出口が必要だとお話しましたが、最近増えている横長の窓などが設置された場合、通常の縦胴縁だと窓下の部分の胴縁に隙間を空けても空気がスムーズに流れないという実験結果があります。
日経ホームビルダーより
通気金具留め工法なら空気の横移動がスムーズに行われ、出口を設けてあれば空気がスムーズに流れてくれます。
こうした通気層ですが、建築基準法に明確な規定がないため蔑ろにされているケースも少なくありません。
低気密で中途半端に断熱した物件で通気層が機能していない家が実は今でも新築されています。
そういう家は北側の外壁をみると見事に苔が生えています。
それを意識してみてみると苔の生えている建物は軒ゼロやパラペット屋根など、通気をとるのにテクニックのいるような建物であることが多いです。
結露対策に関しては通気層は確保できているのか?は最低条件です。
結露の計算は通気層があることが前提で計算しますので、これが上手く機能していないと話にならないのです。
結露対策、暑さ対策に通気層は超重要なので新築される際には注意してみてください。
次回は陽景の家の屋根の通気層の施工の状況をお伝えします。
陽景の家 温度測定 続報
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『陽景(ようけい)の家』では暑さに負けずに工事が進行中です。
前回はセルロースファイバーの表面温度が室温と変わらない状況をお伝えしました。
あれから気温も上昇し、梅雨が明けたので日射を浴びる時間も増えています。
現在はどうなっているのか?気になる温度をお伝えします。
室温/湿度です。
室温 30.9℃
相対湿度 59%
絶対湿度 18.7g/㎥ です。
相変わらず1階と2階の室温にはほとんど差がありませんでした。
大工さんは作業中窓を開けているので、窓を開けることによる排熱効果もでているのかもしれません。
気になる屋根断熱のセルロースファイバーの下端の温度ですが。。。
33℃。。。
室温+3℃です。
屋根の表面温度は前回70℃でしたが、今回は66℃でした。
恐らく前回までは梅雨の雨もありセルロースファイバーに熱が伝わりきる前に冷やされていたのが、梅雨が明けて晴れの日が続くことで熱が抜けきらずに表面温度の上昇に繋がったのではないかと推測します。
2階の天井のプラスターボードが張ってあったので表面温度を測定しました。
温度は32℃。屋根からの日射熱の影響をうけています。
窓を開けているおかげか室温を上昇させるにはいたっていませんが、さすがに暑い日が続くと温度に影響を与えることがわかりました。
夏はやはりある程度の断熱性能を満たした後は日射の影響が非常に大きいと思います。
前回屋根の色による違いをカバーできるかも。。。。と思いましたが、やはり屋根材は淡色のものにした方が良さそうです。
ちなみに
既にたっぷり日射を浴びた東南の内壁の温度は32℃
まだ日を浴びていない北西の壁面は30℃でした。
日射の影響の大きさがわかると思います。
外壁の表面温度も計ってきたので紹介します。
日なたの白い外壁 34℃
日なたの茶色の外壁 39℃
13:30の西面で測定したので夕方にはさらに差が広がるのではないかと推測します。
日陰(軒下)の白い外壁は31℃
日射による影響を受けないので外気温とほぼ同じです。
日射遮蔽の重要さがわかると思います。
今回セルロースファイバーの温度が前回より上がりましたが、室温を考えれば十分優秀な結果が出ていると思います。
何せ暑すぎますので。。。
この暑さの中まったく影響を受けないわけがありません。
最高レベルの断熱性能と日射遮蔽計画による冷房の効きを早く体感したいものです。
温度の測定はまだまだ続けていきますので、変わった結果がでたらまた報告したいと思います。
それにしても暑い。。。
大工さんいつもありがとうございます。
木工事完了まであと少し。
体調に気を付けて作業をお願いします。
陽景の家 セルロースファイバーが超効いています。
カテゴリー │新築工事日記│家造りの役に立つお話│現場での実例など
本格的に夏が近づいてきましたね。
『陽景(ようけい)の家』では大工さんによる工事が進行中です。
今回は工事の進行とは少し違う部分を紹介したいと思います。
以前の記事でもご紹介させて頂いたグラウンド・ワークスさん施工のセルロースファイバーによる屋根断熱。
これが超効いているんです。
これが本日測定した屋根のガルバリウム鋼板の表面温度です。
遮熱塗料のものを使用していますが濃いめの茶色ですので日射はなかなか吸収します。
表面温度は70℃
ちなみに6月の中旬ごろの測定では59℃でした。
これだけ熱くなってしまうとさすがに2階は暑くなっているだろうなぁと思いながらも中に入ると。。。
ん?結構涼しいぞ?
1階の温湿度計の数値がこちら
2階がこちら
1階が 室温28.2℃ 絶対湿度19.7g/㎥ 相対湿度72%
2階が 室温28.8℃ 絶対湿度18.9g/㎥ 相対湿度67%
大工さんは窓を開けて作業しているので室温・湿度共に外部の温湿度より少し低い程度です。
注目して頂きたいのは1階と2階の室温差の少なさと1階よりも2階の湿度の方が低い点です。
これはセルロースファイバーを透湿して通気層への排湿がうまくいっているからだと思います。
実際に入った感覚でもあきらかに1階よりも2階の方が涼しく感じます。
これはセルロースファイバーの下側の表面温度を測定しています。
少し見にくいですが、表面温度は28℃でした。
このことから分かるのは、
屋根のガルバリウム鋼板の表面温度が70℃になるぐらいの日射を受けた場合
セルロースファイバーによる屋根断熱+完全な通気層の確保ができていれば
エアコンの設定温度が28℃であれば屋根からの影響を受けていないほど断熱されている
と言えるのではないかと思います。
もちろんセルロースファイバーの厚みにもよりますが、当社の標準的な厚みであればそれをクリアできることがわかりました。
これからさらに暑くなって屋根材の表面温度が何度まで上がるのかにも注目していきたいと思います。
ちなみに
茶色のガルバリウム鋼板の表面温度が70℃の時、銀色の鉄製の足場は43℃でした。
当社の仕様+屋根を淡色にする。のであれば夏の屋根からの室温への影響はほぼ無くなるのではないかと思います。
また、当社の仕様であれば屋根材の色に濃色を使用してもそれほど大きい影響は受けないのではないかと思い始めています。
さらに暑くなる今月末~来月初旬にもう一度測定して、大きな変化があればまた詳しくお伝えしたいと思います。
それにしても。。。
セルロースファイバーすげえなぁ。。。
※このブログを読んで屋根の色は室温に影響を与えないと判断するのはやめて下さい。一般的な断熱仕様では確実に影響を受けます。