陽景の家の基礎工事コンクリートを打設しました。

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こんにちは。ツチヤ・フソウホーム設計の石田です。
『陽景の家』、基礎のコンクリート工事の様子をお伝えします。
陽景の家の基礎工事コンクリートを打設しました。
コンクリートミキサー車からポンプ車を経由して基礎内にコンクリートを流し込んでいきます。

左上の写真は流し込んだコンクリートにバイブレーターを差し込んでいる様子です。
コンクリートに振動を与えることで、コンクリートが流動化して型枠や鉄筋の隅々まで行き渡ります。
また、運搬されたコンクリートに含まれた気泡を上方へ移動させて抜く効果があります。コンクリート内の気泡が多いと固まったコンクリートに凸凹ができたり、大きな気泡がある場所では粗骨材(大きめの砂利)や鉄筋が露出するジャンカと呼ばれる現象が起こります。
ジャンカが起きてしまった部位は強度(硬さ)が計画通りに発揮されなかったり、鉄筋を覆うコンクリートが薄くなってしまう為、鉄筋が錆びて耐久力が落ちてしまうといった不具合が発生します。
ジャンカを防ぐ為には、バイブレーターを使用して締固めることが有効ですが、この時バイブレーターを傾けすぎたり、なるべく鉄筋に触れないように注意しなければいけません。
コンクリートはセメント・砂・骨材(砂利)・水をが混ざっているのですが、バイブレーターを傾けすぎて型枠内で横移動させると材料が分離してしまいます。材料が分離することもジャンカの原因になってしまうので、バイブレーターは地面に対して垂直に差し込むように施工します。

コンクリートをを流したら表面を均して(ならして)いきます。写真はトンボ(レーキ)を使って均している様子です。
基礎の耐圧版の部分は一般的には床下に隠れてしまう部分です。見えなくなる場所だから鏝(こて)で仕上げる必要はないんじゃないか?と思う方もいるかもしれませんが、この均し作業の目的は見た目を綺麗にするだけではありません。
鉄筋からコンクリート表面(若しくは下面)までの距離を『かぶり』と言います。このかぶりは地面から鉄筋までは6cm以上、コンクリート表面までは4cm以上という決まりがあります。これは鉄筋を保護するためのコンクリートの厚みがこれだけ必要だからです。
コンクリートの表面を均すことで、かぶりの部分のコンクリートが緻密になります。そうすることで鉄筋を保護するための耐久力が向上します。
この工程もうまくやらないと効果がないどころか、弱くなってしまうこともあります。最適な器具を選定し、均すタイミングを見極めることは専門の職人でなければ難しいと思います。
陽景の家の基礎工事コンクリートを打設しました。
耐圧版のコンクリートを打設した後は、立ち上がりの型枠を設置してアンカーボルトを配置していきます。立ち上がりのコンクリートを打設しながら手で差し込む所謂「田植え」だと入れ忘れた場合、硬化が始まったコンクリートに差し込むことになるので垂直の精度が悪くなったり、アンカーボルトの部分に間隙ができる不安があるので、避けた方が良いです。型枠にあらかじめ設置することでチェックがしやすいので入れ忘れのリスクも減りますし、一定の位置と高さを保つことができます。
外周部の型枠を耐圧版部分と立ち上がり部分で兼用とすることで、打ち継ぎ部分を平滑に仕上げることが出来ます。耐圧版部分の養生を待たずに立ち上がりの施工に取り掛かれるので工期の短縮にもなります。

型枠が組めたら耐圧版部分と同じようにコンクリートを流し込み、バイブレーターで締固め、鏝で均していきます。上端部分にはレベラー(セルフレベリング材)を流して水平を確保します。

コンクリートの打設が終わったら3~4日程度の養生(型枠存置)期間をとります。この期間は建築基準法で規定されています。
平均気温が15℃以上(浜松だと5月~10月)だと3日、15℃未満5℃以上(浜松だと11月~4月)だと5日、浜松は含まれませんが5℃未満だと8日となっています。

最後にコンクリートの仕様についてお話します。
住宅の基礎に使用するコンクリートはほとんどが普通コンクリートです。ただ、生コン屋さんに依頼する時にはもう少し詳しく伝える必要があります。
コンクリートを依頼する時に必要な情報は、呼び強度、スランプ値、粗骨材の最大寸法の3つです。
木造住宅の場合、設計基準強度が18~21N/m㎡の場合が多いので、コンクリートを発注する際の呼び強度は21~24N/m㎡で発注することが多いです。スランプ値は簡単に言えば水が含まれている割合です。数値が大きいほど水が多い配合になります。一般的には18cm以下とします。粗骨材の最大寸法は木造住宅の基礎では20~25㎜とする場合が多いです。『陽景の家』は鉄筋が複雑に入り組んでいるので鉄筋の隙間にきちんと入っていけるように20mmとしています。

基礎工事も終盤をむかえています。
次回は建て方前までの様子をお伝えします。

それでは。今回はここまで。
皆様。良い家をパー














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