2021年04月30日09:49
日射遮蔽の陸 日射遮蔽の小技とまとめ≫
カテゴリー │家造りの役に立つお話│パッシブデザインについて
こんにちは。ツチヤ・フソウホーム 設計の石田です。
今回は日射遮蔽についてのチョットした小技をいくつか紹介します。
まずは、植栽による日射遮蔽です。日射遮蔽したい窓や壁の前方に樹木を植えて、日差しを遮ります。

このとき植えるのは、落葉広葉樹がおススメです。
夏には葉が茂って太陽の光を遮り、冬は落葉して太陽の光を取り入れます。
当初の設計段階からこれを頼りに日射遮蔽することはあまりないかもしれませんが、例えば既に居住していて日射遮蔽が出来ていない場合や、景観の為にお庭を造りたい場合などは、こうした知識を活用すると、外構工事も省エネ住宅に結び付きます。
壁や屋根に植物のツタを這わせたり、陸屋根の部分に植栽帯を設けたりするのも、日射遮蔽をする上で有利になります。
次に窓(サッシ)の色についてです。
サッシメーカーはガラスの日射取得率の数値は出していますが、サッシの色ごとの日射吸収率(反射率)は出していません。
ですので、もしかしたら室内環境には影響しないのかもしれませんが…。個人的にはサッシの色も屋根や外壁と同じうように、濃色より淡色の方が夏に有利に働くと考えます。
間違いなく言えるのは、濃色の方が、淡色よりも傷みやすいということです。これは、屋根も外壁も同じです。
濃色の方がより、紫外線の影響を受けるので、傷み具合は間違いなく濃色の方が早く進みます。
YKKapの樹脂サッシでは内観色の黒色が最近のなってようやく出ました。
社員さんに訊いたところによると、傷みを抑える工夫をするのに時間がかかったとのことです。
時間と手間をかけてもお客様のニーズに応えるために新商品を開発するという企業理念には関心します。
今後も良い商品を安く提供して頂けることを期待します。
最後に、西日を非居室で遮る方法を紹介します。

居室のみに空調を効かせる計画をしている場合、こうしたことも有効です。
全館空調の場合は、あまり意味がないと思います。
注意点としては、南面からの日射取得を確保した上で行うことと、通風の効率も考慮することです。優先順位の高い設計手法ではないかもしれませんが、こうしたことも知っておくと省エネ住宅の設計には有利となります。
さて、日射遮蔽について色々お話してきました。
ここで、特に大切なことをまとめてみます。
・夏の日射量は屋根面≻東/西面≻南面≻北面の順で多いが、冬とは違って北面でもそれなりの量の日射がある。
・南面は軒や庇での日射遮蔽が容易。軒の出は窓下から庇下までの高さの1/3が夏・冬のバランスが良い。
・夏も日照シミュレーションをすることで見えてくるものがある。
・南面以外は軒や庇の効果が低い。窓自体を小さくするのが一番簡単な解決策。
・外用の日射遮蔽部材で9割の日射は遮蔽できる。あとは費用と機能のバランスをみて選ぶ。
・夏は黒い外装材より白い外装材のほうが有利。黒い家は暑くなる。
・冬は白い外装材より白い外装材のほうが有利だが、夏ほどの差はないし、断熱材を厚くするなどで対策できる。
以上、日射遮蔽についてお話しました。
日射遮蔽を理解すれば、断熱性能だけをどんなに高くしても『夏涼しい家』にはなり得ないことがわかると思います。断熱性上の向上だけでは防げない熱の流入があり、入ってしまった熱は、断熱性能が高ければ高いほど、排出しにくくなるからです。
『夏涼しい家』・『冷房費が削減できる家』を新築する為に、今回の日射遮蔽のお話がお役に立てれば幸いです。
次回からは、通風利用についてお話していきたいと思います。
それでは、皆様。良い家を
今回は日射遮蔽についてのチョットした小技をいくつか紹介します。
まずは、植栽による日射遮蔽です。日射遮蔽したい窓や壁の前方に樹木を植えて、日差しを遮ります。

このとき植えるのは、落葉広葉樹がおススメです。
夏には葉が茂って太陽の光を遮り、冬は落葉して太陽の光を取り入れます。
当初の設計段階からこれを頼りに日射遮蔽することはあまりないかもしれませんが、例えば既に居住していて日射遮蔽が出来ていない場合や、景観の為にお庭を造りたい場合などは、こうした知識を活用すると、外構工事も省エネ住宅に結び付きます。
壁や屋根に植物のツタを這わせたり、陸屋根の部分に植栽帯を設けたりするのも、日射遮蔽をする上で有利になります。
次に窓(サッシ)の色についてです。
サッシメーカーはガラスの日射取得率の数値は出していますが、サッシの色ごとの日射吸収率(反射率)は出していません。
ですので、もしかしたら室内環境には影響しないのかもしれませんが…。個人的にはサッシの色も屋根や外壁と同じうように、濃色より淡色の方が夏に有利に働くと考えます。
間違いなく言えるのは、濃色の方が、淡色よりも傷みやすいということです。これは、屋根も外壁も同じです。
濃色の方がより、紫外線の影響を受けるので、傷み具合は間違いなく濃色の方が早く進みます。
YKKapの樹脂サッシでは内観色の黒色が最近のなってようやく出ました。
社員さんに訊いたところによると、傷みを抑える工夫をするのに時間がかかったとのことです。
時間と手間をかけてもお客様のニーズに応えるために新商品を開発するという企業理念には関心します。
今後も良い商品を安く提供して頂けることを期待します。
最後に、西日を非居室で遮る方法を紹介します。

居室のみに空調を効かせる計画をしている場合、こうしたことも有効です。
全館空調の場合は、あまり意味がないと思います。
注意点としては、南面からの日射取得を確保した上で行うことと、通風の効率も考慮することです。優先順位の高い設計手法ではないかもしれませんが、こうしたことも知っておくと省エネ住宅の設計には有利となります。
さて、日射遮蔽について色々お話してきました。
ここで、特に大切なことをまとめてみます。
・夏の日射量は屋根面≻東/西面≻南面≻北面の順で多いが、冬とは違って北面でもそれなりの量の日射がある。
・南面は軒や庇での日射遮蔽が容易。軒の出は窓下から庇下までの高さの1/3が夏・冬のバランスが良い。
・夏も日照シミュレーションをすることで見えてくるものがある。
・南面以外は軒や庇の効果が低い。窓自体を小さくするのが一番簡単な解決策。
・外用の日射遮蔽部材で9割の日射は遮蔽できる。あとは費用と機能のバランスをみて選ぶ。
・夏は黒い外装材より白い外装材のほうが有利。黒い家は暑くなる。
・冬は白い外装材より白い外装材のほうが有利だが、夏ほどの差はないし、断熱材を厚くするなどで対策できる。
以上、日射遮蔽についてお話しました。
日射遮蔽を理解すれば、断熱性能だけをどんなに高くしても『夏涼しい家』にはなり得ないことがわかると思います。断熱性上の向上だけでは防げない熱の流入があり、入ってしまった熱は、断熱性能が高ければ高いほど、排出しにくくなるからです。
『夏涼しい家』・『冷房費が削減できる家』を新築する為に、今回の日射遮蔽のお話がお役に立てれば幸いです。
次回からは、通風利用についてお話していきたいと思います。
それでは、皆様。良い家を
