ツチヤ・フソウホーム　スタッフブログ

こんにちは。ツチヤ・フソウホーム　設計の石田です。

“要望の多い家”では順調に工事が進行中です。

先日現場に行くとこんなものが。。。

まるで“滝”のように見えるこちら

簡単に言うと換気扇のダクトです。

換気扇の設置にこんな大げさな工事が必要なの？と思った方もいるのではないでしょうか。

2003年に建築基準法が改正され、新築する場合は24時間換気の設置が義務付けられました。

これにより、居室（リビングや寝室など）の空気も換気する為になんらかの換気扇を設置する必要が出てきました。

換気の種類について簡単にお話します。

窓を開けて風を通して換気する方法を自然換気と呼びます。

こちらは換気する量が風まかせになってしまうので、法律上の24時間換気としては使用できません。

24時間換気の基準を満たす為には機械（換気扇）で換気する機械換気の採用が必要です。

お風呂やキッチンなんかは昔から換気扇が付いている家がほとんどだと思いますが、昔からついているこうした換気扇は常時ついている訳ではなく、お風呂やキッチンを使用した後にその部分の臭いや湿気を排気する為に使用されます。

こうした換気を局所（きょくしょ）換気といいます。

局所換気も24時間換気としては使用できません。

24時間換気を採用する為には建物全体を一つの空間として換気する全般換気を採用する必要があります。

全般換気にも種類があります。

換気をする為には建物内の汚れた空気を外に出す（排気）と同時に外から新鮮な空気を建物内に入れてあげる（給気）必要があります。

この排気と給気を機械で行うのか、自然に行うのかによって種類が分かれます。

給気も排気も機械で行うのが　第一種換気

給気は機械、排気は自然で行うのが　第二種換気

給気は自然、排気は機械で行うのが　第三種換気　です。

一般的に最も多く採用されているのが第三種換気です。

排気をトイレなどに設置したファンで行い、居室の壁やサッシについたガラリから給気します。

導入する際のイニシャルコストや換気自体に掛かる電気代が少なくてすむので、多く採用されている換気方式です。

さて、では“要望の多い家”で採用した換気はどれなのかというと

こちらは　第一種換気　です。

ただ機械で排気するだけではなく、全熱交換という機能がついています。

空調の効いた部屋を換気する場合、通常の換気では建物内の暖かい/冷たい空気を外に出す代わりに外の寒い/暑い空気が中に入ってきます。

これによってエアコンの設定温度を上げたり、下げたりする必要がでてきます。

全熱交換は排気時に室内の熱を回収して給気してきた空気に戻してあげる機能がついているので、従来の換気では外に捨ててしまうだけだった熱を有効に利用できる訳です。

先ほどの“滝”のように見えたダクトは2階の部屋の床に設置された排気口に繋がります。

2階の床から吸われた空気はこちらのチャンバーと呼ばれる部材に集められて。。。

床下に設置された熱交換器を通って床下から外へ排出されます。

給気も熱交換機を通って床下へ。。。

床下エアコンの本体付近まで伸ばされています。

熱交換されても多少温度は下がるので、床下エアコンが一番効く吹き出し口付近に給気してすぐに暖めるようにする訳です。

熱交換型の第一種換気の全てが床下で換気する訳ではありません。

こちらはMAHBEX（マーベックス）社の澄家（すみか）という商品です。

床下エアコン付近に給気出来ること、床面の排気で小屋裏エアコンの冷気を引っ張れることから、“要望の多い家”との相性が最高だと考えて採用しました。

第三種換気を採用した“明鏡の家”や“楽暖の家”でも十分暖かくなった床下エアコンですが、今回はさらに効率よく動くようになるはずです。

これは。。。楽しみです！