基礎 鉄筋工事の様子

ツチヤ・フソウホーム

2021年11月26日 15:10

こんにちは。ツチヤ・フソウホーム 設計の石田です。

楽暖(らくだん)の家基礎の鉄筋工事が完了しました。


以前にも記事に書きましたが、基礎の鉄筋はコンクリートの弱点である、引っ張りに抵抗する為の補強です。

当社では、どの鉄筋をどのように組むのか許容応力度計算による構造計算で決めています。

許容応力度計算をすると、スパン表で設計するよりも鉄筋が増えるので、コストは上がります。

しかし、計算上で鉄筋量が増えるということは、スパン表の鉄筋量では足りないということです。

鉄筋量が足りないということは、地震に被災した際に、建物が破壊する危険性があるということです。

当社では熊本地震と同条件、同程度の地震に被災しても住み続けられる住宅を提供し、お客様に安心して生活して頂く為に、許容応力度計算による耐震等級3の取得を標準としています。

今回も床下エアコンを採用する為、通常であれば上に立ち上げる基礎を地面に潜らせる地中梁を設けました。

鉄筋工の職人さんが2名で1日で組んでしまいました。

専門の鉄筋工さんは普段はRC(鉄筋コンクリート造)の鉄筋なども組んでいるので木造住宅の基礎程度であれば、簡単に組んでしまいます。

地中梁が無い簡単な基礎であれば、専門の鉄筋工の職人さんではなく基礎屋さんでも組めます。

コンクリートの打設の前にJIO(日本住宅保証機構)さんによる配筋検査が実施されます。

この検査では、

・鉄筋が図面の通り組まれているか。

・鉄筋のかぶりは基準値以上確保されているか。

・鉄筋の定着は基準値以上確保されているのか。


などが確認されます。

鉄筋の錆び防止の為に、型枠や地面から鉄筋まで距離をとる(離す)必要があります。

これを『かぶり』といいます。

木造の基礎の場合、ベタ基礎の耐圧版の鉄筋と地面までの必要かぶり厚は6㎝

型枠から鉄筋までのかぶり厚は4㎝です。


定着(ていちゃく)は鉄筋の引き抜き防止の為に必要な鉄筋の埋め込みです。

木造の基礎の場合は特にフックを設けず、鉄筋の径(直径)の40倍の長さを定着長さとします。

D13の鉄筋であれば13×40=520mm=52㎝

D10であれば10×40=400mm=40㎝といった具合です。

鉄筋を継ぐ場合の重なり長さも定着長さが基準となります。
D10の鉄筋を継ぐ場合は40㎝、D13の場合は52㎝重ねて継ぎます。

検査員の方の足元にご注目

鉄筋の上に載らずに升目の間に足を入れて地盤面を歩いています。

これは鉄筋を踏んで重さで鉄筋が下がってかぶりが不足するのを防止する為です。

かぶりの重要性を理解している職人や現場監督かどうかは、こうした所作からも分かります。

検査も合格してコンクリート打設の準備は万全です。

ただし、この検査はあくまで設計図通りに配筋しているかどうかを確認しているだけということを忘れてはいけません。

構造計算どころかスパン表を無視して鉄筋が組んであっても図面通りに組んであってかぶりや定着に問題がなければ合格してしまいます。

まずは、構造的に根拠のある図面が間違いなく作成出来ているのかどうかが大切です。



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