こんにちは。ツチヤ・フソウホーム 設計の石田です。
前回までは断熱性能を上げるメリットについてお話しました。
今回は建物の
UA値を0.46以下にする為の方法について具体的にお話していきます。
建物の断熱性能は
外皮(屋根若しくは天井・床若しくは基礎・外壁・開口部)の
熱貫流率によって決まります。
どの部分も重要ですが、国の基準であるUA値0.87をクリアする程度であれば開口部である
窓(サッシ)を見直せばそれだけでほぼクリアできます。
サッシをアルミサッシ+ペアガラスからアルミ樹脂複合サッシ+LOW-Eガラスに替えます。
他の部分の断熱性能にもよりますが、屋根・外壁を柱の厚み分、床をその半分程度断熱すれば玄関やユニットバスの部分の土間が無断熱であってもこれだけでUA値0.87はクリアできるはずです。
国の基準がどれほどゆるゆるなのかがわかると思います。
ZEH基準であるUA値0.6をクリアする為にはもう少し断熱材を厚くする必要があります。
サッシはアルミ樹脂複合サッシのままでもクリアできるレベルです。
屋根の断熱材の厚みを壁の断熱材の倍程度の厚みに替えます。
床の断熱材の厚みも壁の断熱材の厚みと同程度とします。
玄関やユニットバス部分は基礎断熱として断熱します。
これでUA値は0.6前後になるはずです。
確実に0.6をクリアしたいのであればアルミ樹脂複合サッシを樹脂サッシに変更します。
当社の標準仕様であるHEAT20のG2レベルをクリアしたい場合は
サッシは樹脂サッシ以上の性能のものにしないと厳しいです。
それに加えて外壁の
断熱を外断熱+充填断熱のダブル断熱にしないとクリアするのは厳しいです。
特に
基礎断熱を採用する場合、令和2年の4月以降はかなり不利(UA値0.05~0.07)に働きます。
一応現在は以前の計算方法も選べる期間ではありますが、その期間はいずれ終わりますし、実際の環境に近い数値を出す為にも不利な方で計算するべきだと思います。
基礎断熱の場合は令和2年の4月以前の数値でいうとUA値0.4を切るぐらいの数値が必要です。
天井断熱にも注意が必要です。
断熱材を厚くしたいばかりに断熱材が梁にかかってしまうと梁が熱橋となるためUA値が不利になります。
梁を上げたり、天井を下げたりする対策をとらないのであれば屋根断熱にした方が良いと思います。
まずはUA値を詳細に計算していることが前提ですが、令和2年の4月以前の計算なのか以降の計算なのかが一つのポイントになることを覚えておくと
実際の住み心地に近い断熱性能の値を知ることができます。
当社ではブログでも度々ご紹介した
『野池政宏』さん監修の
EnergyZoo(エナジーズー)を使って外皮計算をしています。
詳細な外皮計算ができるだけでなく、カーテンやブラインドも含めて実際に近い数値も出せる優れものです。
UA値の計算は無料で行っていますのでお気軽にお声掛け下さい。
かわいい動物がUA値を教えてくれます。
ちなみに上の数値は当社の標準仕様で令和2年の4月以前の計算をした場合の数値となります。
以降だとUA値0.44ぐらいになります。
次回からは断熱材の種類や施工方法についてお話したいと思います。
それではまた次回。皆様。良い家を